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この人に聞きたい:第22回(週刊水産タイムス:05/11/14号)

トレースフード検討委員に

有限会社バーテックス
社長
丹羽 弘吉 氏

(にわ・ひろよし)
早大卒、在日ノルウェー大使館商務部に勤務、対日水産物輸出プロジェクトで成果をあげる。ノルウェー国王より第一等騎士章を叙勲。主席商務担当官として95年に退官。バーテックスを設立、合わせて大使館顧問(05年8月辞退)を務めた。

ノルウェーのトロムソ大学(トロムソ市)では、同大学が策定した「トレースフィッシュ」がEUでの水産物におけるトレーサビリティの統一基準として採用された。これに続き食品全体のトレーサビリティの基準として「トレースフード」の策定が可能かどうかの検討作業(プログラム)を2年間で行う。

 そのため、EU以外の地域との整合性を検討するため、米国、カナガ、英国及び日本からの有識者を選任、12月に第1回目の会合を行う。日本からの委員に丹羽弘吉氏が選任された。

 プログラムでは、水産物以外の幅広い食品にトレースフィッシュのシステムを応用できるか、将来、EU以外の地域にも基準を拡大した場合の他地域との整合性が図れるか、などの検討を行っていく。

 丹羽氏は「トレースフィッシュは、事故が起こった場合、直ちに管理状態を含めて履歴データが明らかになるインターネット・システムそのものである。しかし、日本での現状のトレーサビリティの使われかたは、デパートの鮮魚売り場にパソコンを置き、消費者へアピールするPRの道具としてしか価値を見ていない。日本ではトレーサビリティの基本認識や概念について、もう少し一般の消費者も含め、共通の理解を深め欧米との認識の格差を是正することが必要だ」と語る。

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