この人に聞きたい:第49回
(週刊冷食タイムス:06/07/04号)
業務卸一本化し業界NO.1めざす
ユーシーシーフーヅ(株)
代表取締役 執行役員 副社長 齋藤 義広 氏
プロフィール:(さいとう・よしひろ)
昭和45年UCC上島珈琲(株)入社。業務用中心の営業畑。平成6年取締役営業副本部長。8年マーケティング本部長、9年飲料事業部長。11年常務事業統括副本部長。13年業務用営業本部長から14年FSI副社長。15年UCCに戻り常務MKG本部長。16年3月UCCフーヅ副社長、同6月代表取締役で営業統括本部長。法政大(経営学部)野球部で田淵、山本浩二らの1年後輩、同期に江本参議。昭和23年3月淡路島生、直球勝負の58歳。
UCC上島珈琲グループが業務用卸事業を再編、販売拠点を含むUCCの業務用卸機能の全てを子会社UCCフーヅ(東京、上島豪太社長)に移管した。これでUCCフーヅは売上げ、従業員数、得意先件数とも業務用卸業界最大級となるとともに〇八年三月期で一千億円に乗せ、株式上場をめざす。意気込みを聞いた。
――FSI(フーヅサプライインターナショナル、現UCCフーヅの前身)の時代から業務用卸は力を持っていたが、再編のねらいは?
齋藤 UCC上島珈琲がコーヒーを中心とした会社であることは間違いないが、実は約七十年の歴史の中で業務用卸でも相当の実績を積み重ねてきました。フルーツ缶詰、食用油などの業務用でUCCが一番売った商品がいくつもあります。常温、缶詰、レトルト類を業務用に販売したのはUCCが相当早かった。缶詰の経験から缶コーヒーを市販用に出した経緯もあります。しかし業務用市場ニーズは大きく変わってきた。それなら事業体制を整備してちゃんと取り組もうと考えていました。
――FSIからUCCフーヅに切り換えた段階で、UCCから業務用卸の一部機能をシフトしている。
齋藤 三年前の最初の再編でUCCフーヅに一部移管しましたが、UCCもUCCフーヅも全国で相当幅広く事業展開しているので、全国で一斉に切り換えとはいかない。そこで先行して北海道で両社事業を一本化したUCCフーヅサプライ(株)を立ち上げ、成功事例を作り上げました。さらに三年をかけて全国で体制整備を進め、「いける」と判断。七月で全面移管するとともに、一千億円で業務用卸専業NO.1と上場構想を打ち上げました。
――トップ交代が相次ぎ、斎藤さん自身も本社とフーヅの行き来が続いて「見えなく」なっていた。
齋藤 市場から会社が見えなくなってしまったことに対しては、お詫びするが、いま、上島豪太社長も我々も一丸となって「やろう」という気になっている。現場の営業にはブランドを指名して「二ケタ伸ばせ」と指示しており、これは無理やりでも伸ばす。メーカーの支援がなければ当社は成り立ちません。「FSI部会」当時の製販同盟の強さは私も知っています。我々の本気さを示すため、各地で展示会を大規模に計画しています。ここで我々の取り組み姿勢を販売先にも、メーカーにも見てもらうつもりです。応援願います。