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この人に聞きたい:第58回
(週刊冷食タイムス:06/09/05号)

「まちのたい焼き屋さん」で弱者支援

(株)ジェーシー・コムサ 代表取締役会長兼CEO 大河原 愛子 氏
プロフィール:(おおがわら・あいこ)
米国ハワイ州出身。ジュネーブ大学卒後来日、66年経営責任者として(株)ジェーシー・フーズに入社。78年代表取締役社長。2000年から代表取締役会長。ピザ協議会会長など公職多数。

 日本における冷凍ピザのパイオニア、ジェーシー・コムサの大河原愛子会長は、企業がCSRをポリシーとして取り組むことをあえて「必要」より強く「MUSTな(ねばならない)こと」と表現する。「世の中に何かを還元させることが企業を長生きさせる」と語る大河原会長の経営哲学を聞いた。

――「夢あるまちのたい焼き屋さん」の活動について聞きたい。

大河原 ニート、勝ち組と負け組なんて言葉が生まれる時代ですが、負け組の中には老人と女性が多いのです。こうした人たちは資金もないしノウハウもない。かといって当社はチャリティー団体でもないので、ビジネスのノウハウを生かして何かできないか? そういう観点から生まれました。夫(大河原毅会長)の発案です。昨年十月にスタートして三十店舗に増えました。今期中に百店舗にするつもりです。

――なぜたい焼きを?

大河原 少ない資本でオープンできる外食店がいいということで、たい焼きにこだわっているわけではありません。簡単にマスターできますし、当社にはトレーニングセンターもある。ビジネスのノウハウもあります。これが当社にできることだからしたのです。ニートの人たちに活躍の場を提供できると考えました。

――どのような店?

大河原 ある店ではおばあちゃんが餡だけを練っています。ある店では不登校だった子がたい焼きを作るために喜んで早起きをするようになりました。営業時間はセブンイレブンじゃなくてもいいのです。女性はヒマな時間帯にすればいいですし、売り切れ御免でも問題ないのです。共通しているのは各店で国産の十勝あずきから餡をつくること。あとはもう色々な商店街で店を開いています。明るく派手な店作りにしているので人が集まりますし、地域のコミュニティ作りにも役立っています。学校とかお寺とか、実は人は皆人の輪に入りたがっているのです。ただ、今はそういう場所が少ない。コンセプトは「コミュニティ作り」で、物を売るのではなくその精神を展開しているのです。

――売上げの一部を社会に還元すると聞くが。

大河原 一店が一カ月に一万円を出してもたいしたことはできませんが、数が増えればすごいことができます。そういう活動に生きがいを感じられる人たちが店を出しています。もちろんビジネスなので利益を出すことが前提ですけどね。これまでの三十店は口コミが中心で広がり、現役を退いた会社員も参画しています。これまでは募集もセミナーも開きませんでしたが、これから本格的に募集する予定です。

 

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