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業界交差点

この人に聞きたい:第89回
(週刊冷食タイムス:07/4/24号)

完成度の高さ認められた

味の素冷凍食品 社長 進藤 大二 氏

 

 味の素グループは中長期計画アドバンス10で2010年の売上げ1兆5000億円、営業利益1500億円をめざしている。当社は連結売上高1400億円、営業利益100億円を計画している。

 家庭用は売れ筋上位品を改良し、カテゴリーナンバーワン商品を育成する。現在、(業界の)売れ筋ベスト10にはギョーザ、エビシューマイ、エビ寄せフライ、カップエビグラタン、やわらかチキン唐揚げ、エビピラフの6品が入っている。首都圏ではこれに中華丼の具が入る。
 一方、ハンバーグや弁当商品など成長しきれていない商品はてこ入れし、弁当向けは自然解凍技術をもって底上げする。
 業務用は餃子、焼売、米飯、農産品、デザート、豚加工品の6大カテゴリーを重点強化する。2010年には業務用比を現状38%から45%へ高めたい。CVSや惣菜などで大手ユーザーとの取り組みが課題となる。

 生産面では香港アモイフードとのシナジー効果、米国味の素冷凍食品の黒字化を図っているが、米国は前期で念願の黒字化を達成した。冷食は国内海外合わせて17工場を擁するが、総合的にみて再編成し、効率の最大化をめざす。

 業界は、常態化する四割引、五割引販売から脱皮するのが最大の課題。当社は主力品のギョーザを昨年春、規格と品質をさらに改良し、約40円の値上げをしたが、品質に見合った価格設定だとスーパーからも後押ししていただき、結果として製販三層に若干の潤いをもたらした。店頭の活性化策を講じ、情報発信ある売場をつくるべき。

 中長期計画に基づいて、荒利率を高めるため、商品の重点集中化やアイテム整理で工場稼働率を向上させてきた。フレックとの統合によるシナジー効果を追求してきたのも奏効し、効果を示してきた。
 商品重点化の例としてギョーザの品質をさらに向上させることで、3年間で売上げを2倍規模に伸ばすことができた。これで、伊藤雅俊前社長(現味の素代表取締役専務執行役員)から引き継ぎ、約束していた100億円を果たせた。味の素冷凍食品が分社してからの発展の原動力となり、また、世界一の冷食メーカーをめざす基盤にもなる。

 単品で100億円は「冷食タイムス」のご指摘通り、おそらく世界一の実績。国民に広く使っていただくために、おいしさはもちろん、安全性、あるいは誰が調理しても失敗のない完成度をめざしたが、その価値を多くの消費者に認めていただいたことは最大の喜び。ギョーザを通じて冷食業界の発展、充実にも貢献できたのではないか。

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