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この人に聞きたい:第105回
(週刊水産タイムス:07/08/20号)

科学に感情論は通じず

財団法人日本鯨類研究所 理事長 森本 稔 氏

プロフィール:(もりもと・みのる) 昭和40年広島大学水畜産学部卒業後、農林省入省。水産庁で海洋漁業部参事官、遠洋課長、審議官、水産庁次長を歴任。退官後は漁業情報サービスセンター会長、海洋生物環境研究所理事長を経て現職。昭和17年、広島県尾道市(当時は瀬戸田町)生まれ。64歳。

 IWC(国際捕鯨委員会)日本政府代表は今年のアンカレッジ会議で8回目。
 圧倒的な数を誇る反捕鯨国に、真正面から議論を挑んだ米澤邦男氏。日本の調査捕鯨を国際的に認めさせた島一雄氏。その流れを受け継ぎ、下関会議(平成14年)で1票差、昨年のセントキッツ会議では持続的捕鯨支持国の逆転という歴史的な転機を実現した。
 この8年、「日本の主張に理解を示す国が着実に増えた」と感じる一方、「商業捕鯨の再開はそう簡単にはいかない」ことも実感する。

 IWCは本来、鯨類資源の秩序ある利用を目的に設立された機関。IWC正常化への努力、持続的な捕鯨を保証するRMS(改訂管理制度)の作成など、「日本として、やるべきことは全てやった」にもかかわらず、今年の会議では反捕鯨国の強力な巻き返しにより、日本の主張をことごとく否決。日本政府は「脱退」「新機構の設立」「沿岸捕鯨の自主再開」と最後の選択肢をIWCに突きつけている。
 IWCの実情を身を持って熟知している人だけに「鯨類資源の持続的利用に向けた資源管理データを収集する崇高な使命と役割は、いささかも揺るがない」という日鯨研のトップとしての言葉にも重みがある。

 捕鯨情勢は時として理不尽さを伴うものだが、科学調査に基づいた客観的な知見に、政治的思惑や民族的感情が入り込む余地など、一切ない。

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