この人に聞きたい:第118回
(週刊冷食タイムス:07/11/20号)
サラダを食卓の主役に
ケンコーマヨネーズ(株) 代表取締役社長 炭井 孝志 氏
プロフィール:(すみい・たかし)平成12年6月から現職。大学時代は空手部の主将を務め、全国優勝の経験もある。昭和28年8月生まれ、54歳。東京水産大卒。香川県出身。
グループ総合力生かし供給
ケンコーマヨネーズはロングライフサラダ発売30周年を今年迎えた。これを機にサラダ事業の一層の拡大を図っている。新工場も立ち上げた。「サラダをメインディッシュに」と取り組む炭井社長に話を聞いた。
――ダイエットをしたとか。
炭井 サラダをメインにした食生活で2年前より10kgやせました。生野菜だけだとさすがに寂しいので、チキンや魚、チーズなどをのせて、ドレッシングをかけ和えて食べました。
――居酒屋でもサラダのメニューが増えている。
炭井 サラダメニューがないと特に女性客は敬遠します。サラダは以前、添え物でしかありませんでしたが今は逆。生野菜をキーにして畜肉、シーフード、乳製品をマヨネーズ、ドレッシングで味付けしてメインディッシュになりうる時代になっています。
――7年前の社長就任時からサラダを食卓の主役に、と訴えてきた。
炭井 21世紀になったら野菜、サラダは絶対に見直されると思っていました。実際そうなってきたでしょう。体質改善とか食育などの観点から今後も野菜が日本人の食生活のキーになるはずです。
――ニーズにどう応える。
炭井 当社はマヨネーズ・ドレッシングとロングライフのサラダ事業、子会社における日配のサラダ・惣菜事業、消費者に直接届けるショップ事業の3つで成り立っています。ショップ事業で得た情報を業務用ユーザーに届けるなど3事業が三位一体で情報力、技術力を相互に補完し、外食産業トータルにサラダを供給します。
――西日本工場を立ち上げたのはロングライフサラダのファッションデリカフーズ(FDF)発売30周年に合わせたものか。
炭井 いいめぐり合わせで、偶然重なりました。西日本エリアで販売するロングライフサラダは従来、神戸市の西神戸工場で手掛けていたほか、山梨工場や御殿場工場など東日本エリアにある工場でも製造し需要に応えていました。しかし各工場とも生産能力に余力がない状態でした。
――具体的には何を手がける。
炭井 工場ではポテト、パスタ、ごぼう、ツナ、パンプキンのロングライフサラダを基幹商品として手掛ける他、変種変量生産にも対応できる製造設備も有し、サラダ素材の多様化、規格の多様化に応えることができます。また蒸圧釜の導入により、じゃがいもの加工時間が短くなるため、味や風味を生かして商品に加工できます。じゃがいもの芽を丁寧にとるなど人手もかけます。
――なぜ京都府舞鶴市に。
炭井 良港に恵まれており、北海道で契約栽培するじゃがいもを週3回船便で運ぶことができます。良い土地・建物を(株)資生堂から昨年2月取得し、今年5月着工、10月に完成しました。全国的に人手不足ですが、舞鶴には働いていただける方も多く、感謝しています。